宮崎で家を建てるなら、見た目や価格より先に「災害に強いかどうか」を考える必要があります。
理由はシンプルで、宮崎は 南海トラフ地震の影響圏にあり、さらに台風常襲地帯でもあるからです。（※直撃の多い年・少ない年があるため、「毎年必ず直撃する」とは限りません）
一度建てた家は、簡単に作り直せません。
だからこそ「どの工務店で建てるか」が、家の強さそのものを決めます。
宮崎は、災害が“複合的に発生する県”であり、
家の性能差がそのまま生活の安全差につながります。
この記事では、宮崎で“災害に強い家”を建てたい人向けに、
工務店選びで見落としがちな耐震・耐風・地盤・制度の基準を、できるだけわかりやすく整理します。
第1章｜なぜ宮崎は「災害に強い家」が必要なのか
- 地震：南海トラフ巨大地震の想定域に近く、沿岸部を中心に強い揺れが想定される
- 台風：毎年のように大型台風が通過、接近し、屋根・外壁・窓の破損が起きやすい
- 浸水・高潮：沿岸部や河川近くでは水害リスクもある
つまり宮崎は、
「耐震だけ」では足りず、耐風・防水・地盤まで含めた“総合防災住宅”が前提の地域です。
第2章｜宮崎で本当に見るべき「工務店の実力」
宮崎の家づくりは、全国平均と同じ“感覚”で判断すると、リスクが残りやすい地域です。
宮崎の工務店選びで重要なのは、宣伝の上手さではなく **“構造の思想と裏付け”**です。
2-1. 構造計算（許容応力度計算）の有無
耐震等級を語るなら、まず「どの計算で裏付けしているか」が核心です。
この記事で言う“構造計算”は、特に 許容応力度計算 のことを指します。
計算の根拠が曖昧なまま「耐震等級3相当」とだけ説明される場合は、内容を一段深く確認しましょう。
計算根拠が示されないまま“等級3相当”をうたう場合、中身の裏付けが弱いケースもあります。
工務店にこう聞いてください。
「耐震等級3は、許容応力度計算（構造計算の中でも詳細な方法）で取っていますか？」
「構造計算書は見せてもらえますか？」
ここで言葉が濁る会社は、要注意です。
2-2. 耐震等級3を“標準化できるか”
耐震等級3を「オプション扱い」にする会社と、
「標準で当たり前としている会社」では、設計思想が違います。
宮崎のようなエリアでは
“等級3が前提の家づくりをしている会社”が強いです。
2-3. 耐風等級の説明ができるか
宮崎では、台風被害が毎年のリアルです。
- 「風（台風）に対する設計は、どんな考え方でやっていますか？」
- 「性能表示の“耐風等級”として評価できますか？（難しければ、屋根・開口部・留め付けの根拠を教えてください）」
この問いに具体的な返答が返る会社は、災害に強い思想を持っています。
2-4. 地盤と基礎を“セットで説明できるか”
地盤調査結果から、「この敷地の地盤の特徴」と「その対策方針」を説明できるかは重要です。
- 液状化のリスク
- 揺れやすさ（地盤の性質）
- 基礎形式の選択
- 地盤補強の必要性
ここまで一連で説明できる会社は、信頼度が高いです。
宮崎は場所によって地盤特性が大きく変わるため、
「地盤はどこでも同じ」みたいな会社は危険です。
2-5. 施工管理の体制
設計が良くても、現場が崩れていたら家は強くなりません。
- 監督が常駐し、品質チェックが回っているか
- 下請け丸投げではないか
- 現場の整理・安全管理が徹底されているか
ここは、現場見学で傾向が出やすい指標です。
第3章｜“災害に強い家”を決める5つの要素
宮崎で災害に強い家を建てるなら、最低でも次の5つは押さえてください。
- 耐震等級（等級3推奨）
- 耐風（台風を想定した設計・仕様の根拠）
- 地盤の評価（表層地盤を含めて判断）
- 基礎の選択（地盤に合わせた工法）
- 雨仕舞・防水設計（台風・豪雨への備え）
どれか1つ欠けると、宮崎ではリスクが残ります。
第4章｜工務店が言いにくい“落とし穴”
ここは、住宅会社の宣伝だと触れられにくいポイントです。
- 耐震等級3が取れない理由を曖昧にする
- 構造計算の話が出ない
- ZEHだけを強調し、構造の話を避ける
- 施工実績をはっきり見せない
- 図面や仕様の説明が抽象的
特に「ZEHだから安心ですよ」だけで話を終わらせる会社は注意が必要です。
省エネと災害対策は別物で、両方揃って初めて“強い家”になります。
※ZEHについては、こちらの記事もあわせてどうぞ。
👉 「宮崎でZEH住宅を建てるには？」
第5章｜面談で聞くべき質問リスト
工務店に行ったら、次の5つをそのまま聞いてOKです。
- 耐震等級3は許容応力度計算で取っていますか？
- 耐風等級の考え方と実績を教えてください。
- 地盤調査結果に応じた基礎の説明をしてください。
- 長期優良住宅の基準を標準仕様で満たせますか？
- 施工管理の体制と現場チェックの流れを教えてください。
この5つに 具体的に答えられる会社かどうか。
それが、宮崎で災害に強い家を建てられる“本当の基準”です。
まとめ｜宮崎の家づくりは「強い工務店」より「強い思想」
宮崎は地震・台風・水害が重なる地域です。
だからこそ、家づくりの基準は全国平均より一段高く考える必要があります。
工務店を選ぶときは、
「構造計算」「耐震等級3」「耐風等級」「地盤と基礎」「施工管理」
この5つを軸にしてください。
家は、建てた瞬間より
10年後・20年後の“安心の強さ”で価値が決まります。
まとめ
「宮崎は“災害の種類が多い県”です。
耐震だけでなく、耐風・地盤・雨仕舞も含めて“総合力のある工務店”を選びましょう。
家の強さは、工務店の“思想の強さ”で決まります。」
「耐震等級3の価値は“計算で裏付けがあるかどうか”で決まります。
“等級3相当”という言い回しが出たら、一歩引いて確認しましょう。」