宮崎で生まれ育った人にとって、チキン南蛮は「有名なご当地グルメ」ではなく、生活の中に当たり前にあった料理です。
宮崎ではチキン南蛮は、説明する料理ではないです。
宮崎で生まれ育った人にとって、チキン南蛮は「説明する料理」ではありません。
家庭でも、定食屋でも、特別な場面ではなく日常の中に自然と存在してきた料理です。
スーパーでも、お惣菜で普通に販売されていて、誰もが一度は食べたことのある、生活の中の料理だからです。
実は、宮崎には、大きく分けて、2つのチキン南蛮が存在します。
好みで分かれる2つのチキン南蛮
宮崎県民が考えるチキン南蛮には、はっきりとした共通点があります。
それは、揚げた鶏肉を南蛮酢にくぐらせる工程があることです。
この工程によって、揚げ物でありながら、甘みと酸味のバランスが生まれ、後味が重くなりすぎません。
その後に、タルタルソースをかけるか、甘酢あんだけで仕上げるかで別れます。
チキン南蛮は延岡で生まれた
チキン南蛮は、宮崎県延岡市で誕生した料理です。
最初から現在の形があったわけではなく、調理の工夫や現場の積み重ねの中で形づくられてきました。
揚げ物に南蛮酢を合わせるという発想は、洋食と和食の要素が交わる中で生まれたものであり、宮崎の食文化を象徴する特徴の一つでもあります。
宮崎で出てくるチキン南蛮の多くは、タルタルソースかけです
現在の宮崎では、定食屋や洋食店、家庭の食卓でも、タルタルのチキン南蛮が自然に選ばれてきます。
これは「変化」ではありますが、「間違い」ではありません。
日常の中で食べ続けられる中で、選ばれてきた結果が、今の主流です。
現在の宮崎で多く食べられているのは、タルタルのチキン南蛮
タルタルソースのまろやかさは、南蛮酢の酸味とよく合い、世代を問わず親しまれてきました。
今の宮崎のチキン南蛮を思い浮かべたとき、多くの人がこの姿を想像するはずです。
タルタルソースのバリエーションは豊富で、タルタルソースで勝負しているお店も多くあります。
完熟梅のタルタルソース
ゆず胡椒のタルタルソース
見た目も黒い、黒ゴマタルタルソースのチキン南蛮など、(他にもたくさん。。）
カレーライス+チキン南蛮もあります
延岡では、今もタルタルをかけないチキン南蛮がある
一方で、延岡の「直ちゃんのチキン南蛮」は今もタルタルソースをかけないチキン南蛮提供されていて、こちらも根強いファンがいます。
甘酢あんを基本としたこのスタイルは、発祥の地に残る原点とも言える存在です。
衣がサクサクしているので甘酢が絡みやすい。あっさりなのにおいしい。
主流とは異なりますが、例外ではありません。これで完成形です。
チキン南蛮の出発点として、今も大切に受け継がれています。
96記事を書いてきて、今思うこと
私は、チキン南蛮を特別なテーマとして書いてきたつもりはありません。
日常の中で見聞きしたことを、そのまま記録してきただけです。
母から聞いたむかしのおぐらの話や、店の人との何気ない会話も含め、積み重ねてきました。
気がつけば、チキン南蛮関連のだけで96記事を超えていました。
本記事は結論ではありません。
入口です。
ほんみやちゃんコメント
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チキン南蛮は、派手な料理ではありません。
しかし、宮崎の人々の暮らしの中で、確かに育まれてきた料理です。
宮崎では、ほとんどが知っているこの2つのチキン南蛮。
この記事が、県外の方がチキン南蛮を知るきっかけとなり、いつか宮崎で本場の一皿を味わっていただければ幸いです。